アンティーク家具の技法あれこれ:アプライドモールディング

アプライドモールディングは1660年代のヨーロッパで広く使われていたアンティーク家具の装飾方法で、家具の表面に貼り付ける形で装飾をしていくもので、ルネッサンスの影響を受けているので、幾何学模様などの特徴的な模様が使用されています。この技術はヨーロッパにおけるアンティーク家具に大きな影響を与えたといわれていて、とくに貼り付けが簡単に行われることで、家具自体の重さが軽くなり、分厚い材木を削って装飾する必要性がなくなったことで、運搬も非常に楽に行えるようになりました。

物を運搬するというのは重量が重ければ馬が疲労してしまうので、当時は1日で運べる距離が限られてしまっていましたが、材木そのものを削って模様を作り出す技法をやめて、表面に貼り付けるだけになったので、薄い木材で家具を作れるようになり、軽くなったので、数量と重量の面で非常にコストが低く抑えられることになりました。

コストが抑えられて、さらに長距離の運搬ができるようになると他の国に向けての輸出が盛んになり、この技術はヨーロッパの広い地域で使用されることになります。しかし表面に貼り付ける装飾は、模倣することが出来るので、各地で同様の装飾が行われるようになると、輸出が減少していきます。またこの技法を元にして、さらに新しい技法を作り出す職人が出てくるようになると、人々は新しいものを常に求めているので、古い技法よりも流行していきます。

しかし古い技法で作られたアンティーク家具は丈夫で古きよき雰囲気があることから、一種のステータスシンボルとして現在まで残っています。これらの技法を用いた家具は世界中で人気となっていますが、日本国内の場合には専門店で購入するか、インターネットの専門店での購入となります。日本では日本家具が主流となっているので、これらのアンティーク家具を手に入れるためには、イギリスなどから輸入をする必要があるので、輸送コストと本体の価格がかかり、日本家具に比べて、かなり料金が高くなります。

アンティークの愛好家にとっては1600年代の装飾を施したこれらの家具は非常に魅力的で、中国の富裕層などが主に購入をしています。これらの家具の価値は上がる可能性が非常に高いので、今後も人気が衰えることがありませんが、モデルやデザインによっては、価値が低くなる可能性があります。アンティークの作品には、それぞれ流行があるので、それを敏感に感じ取ることが重要です。